映画「あの夏、いちばん静かな海。」1991

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 1991年の北野武監督作品のサウンドトラック。「その男、凶暴につき」で強烈なデビューを飾った北野武の3作品目となる。この作品で久石譲と北野武はのめぐり合い、このあと数作品でコンビが続くこととなる。久石譲は当初、別のテーマ曲を用意し、監督がスタジオを訪ねてくるタイミングで聴かせるはずだった。しかしスタジオで流れていたこの曲を聴いた北野監督が大変気に入り、急遽サントラの一部で使おうと思っていた曲がメインテーマとなったという逸話が残る。それが「Silent Love」である。この曲はアレンジや編成を変えて、映画の中で幾度となく流れる、まさに「あの夏」の代名詞となった。ミニマル調のバックに女性ボーカルの冷たく、涼しく、切ないメロが載り、映画の内容と相まってなんともいえない傑作となっている。主人公の二人が言葉を喋らない、映像で物語が進んでいく中、この曲が淡々と温度を上げ過ぎずに更に世界観を深めている。冷たい久石譲・・・・これは過去にもあったが、比較的メジャーな作品でメインを張るというのはなかなか珍しい。このあとの北野作品で、あえて主流の音楽のつけ方をしない、という方針は、ここからスタートしたのかもしれない。

 ミュージシャンで参加しているギターの宮野弘喜氏の切ないギターソロ、作編曲家でもあり久石作品でもおなじみ、篠崎正嗣氏のバイオリン、そしてボーカルの広谷順子さんの透明な美しい声を堪能できる一枚。


Piano:久石譲
Guitar:宮野弘喜
Bass:斉藤まこと
Violin:篠崎正嗣
Cello:堀沢真己
Vocal:広谷順子
Fairlight Programming:久石譲


作編曲:久石譲
レコーディング:ワンダーステーション
エンジニア:浜田純伸
アシスタントエンジニア:田中栄一


「あの夏、いちばん静かな海。」予告編




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