
羽仁進はドキュメンタリーを中心とする映画監督であり、またTBS「世界・ふしぎ発見!」などの解答者としても広く知られている。1978年の時点ですでに十数本の映画を監督していて、また脚本家としても活動していた。このレコードはコロンビアから発売されている。久石譲(または藤沢守)は、この頃のコロンビア関連の仕事を多くこなしている。このレコードは、現在で言えば「著作権使用料不要の音楽素材集」「ロイヤリティフリーの音楽集」であろうか。1978年当時、業務用や趣味で撮影と編集をして、それにナレーションや音楽、効果音をかぶせる、いわゆるMA作業を行う人向けの、全9本にわたる、シーン別素材集であった。管理人もこれを中古市場で手に入れたが、ジャケットには「テレビ信州」のシールが貼ってあった。ながらくテレビ局の番組制作で使われていたのだろう。
その他のシリーズとしては
効果音楽ライブラリー1「季節の詩」
効果音楽ライブラリー2「レジャーと活動」
効果音楽ライブラリー3「自然と風景」
効果音楽ライブラリー4「雰囲気の世界」
効果音楽ライブラリー5「愛と青春」
効果音楽ライブラリー6「人物登場」
効果音楽ライブラリー7「アクションと表現」
効果音楽ライブラリー8「メルヘンの世界」
効果音楽ライブラリー9「未知の世界」
アニメやドラマのサウンドトラックは、実際に映像が完成する前に曲を納品しなければならない。映画の場合は既に出来上がった映像を見ながらの作業となるが、アニメやテレビドラマなど、毎週制作されるものは曲の制作が先である。久石譲も数々のイメージアルバムを制作してきた。これも実際の映像がない状態で、キーワードやイメージボードのみで想像を膨らませる。「こんなシーンにはこんな曲が合うのでないか、意外性があるのではないか・・・・」などと考え作曲していたのだと思われる。今回の「効果音楽ライブラリーシリーズ」は、映画監督・ドキュメンタリー映像作家の羽仁進が、今までの経験上で「こんな曲があったら映像制作者は助かるだろうな」という思いを込めて発注をしたものと思われる。それが全9本の大作となった。1978年はまだアコースティックなサウンドである。1980年前半からのフェアライトやプロフェット5などのシンセサイザーは使われていない。久石譲が27歳ころの作品。
ちなみに、これらのレコードは1992年頃にシングルCDとして再発売されているようである。一つ一つの曲が短いので、シングルに収まってしまう。
羽仁進コメント
曲を象徴する題名がつけられていますが、音楽はコトバとは違って、特定の対象を描写しているわけではありません。題名はあくまで参考です。自由に使いこなしてください。
効果音楽ライブラリー1「季節の詩」
1 「花のワルツ」
2 「春の風」
3 「青い空」
4 「初夏」
5 「暑い夏」
6 「秋の曲」
7 「枯葉」
8 「冬」
9 「銀世界」
[1978-J27-ATJ2-N02]