WonderStation パンフレット 1996

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WonderStationパンフ 01 表紙


 1996年に管理人がWonderStation代々木に伺った時に、もらってきたものと記憶している。前年の1995年にオープンした久石譲のスタジオであり、また商業スタジオである。一時間いくら、という設定で外部のプロジェクトでも利用ができ、久石譲以外のアーティストや作曲家、編曲家、レーベルなどが利用した。ストリングスも収録できる広さを持ち、同時に営業していた六本木のスタジオより、かなり大きく、1st 2nd と2つのスタジオを持っていた。コンソールは六本木、代々木共にSSL社製。それぞれ多少のバージョン違いである。2000年になると、六本木スタジオは六本木ヒルズ界隈の再開発のため閉鎖され、こちらの代々木に統合されている。

 このパンフレットは1996年当時のものであるので、六本木と代々木、二つのスタジオが紹介されている。また別紙で料金表が挟まれていて、当時のスタジオ利用料金が伺えて興味深い。

 この代々木スタジオ、実は、ワンダーステーションとして使われる以前から音楽スタジオとしての歴史がある。ずっと以前は専門学校「青山レコーディングスクール」のスタジオだったらしい。この学校が閉鎖された後、Two Two One、Music Inと受け継がれ、そしてワンダーステーション。

 さらに2007年4月、名称を「ワンダーステーション」としたままメモリーテック株式会社がスタジオを取得し、マスタリングスタジオも追加しての営業。この時点で久石譲の制作の場・・・・という重要な役割を終えたのだろうか。

 そして、2012年6月には「ワンダーステーション」のレコーディング部門をクローズ。マスタリングスタジオも名称を「MTCマスタリング」に変更。ここで「ワンダーステーション」の名称が途切れることとなる。この後、同じく閉鎖された老舗「一口坂スタジオ」の機材を移して、ポニーキャニオンスタジオ代々木が入ったり、映像系のスタジオであるレスパスビジョン株式会社が入ったりと、入居者が変わってもなにかしらのスタジオとして使われ続けている。なかなかに興味深い経歴を持った場所ある。


ワンダーステーション 代々木 1st



ワンダーステーション 代々木 2nd と 六本木スタジオ



WonderStationパンフ 04 アクセス

代々木と六本木のスタジオへのアクセス。六本木にまだヒルズはなく、小さな区画であることがわかる。
六本木スタジオはテレ朝通りを入った坂道の途中にあったとのこと。肉屋のはす向かい。おとなりはピザ屋さん。



WonderStationパンフ 05 料金表2

プライスリスト。代々木1stが一番高く、代々木2ndが一番安い。これはスタジオの大きさや六本木という立地も影響しているのか。外部でスタジオを借りるとなると、当時はこの様な値段設定だったということ。久石譲のように毎日スタジオに篭るような作業ペースであれば、自分のスタジオを作るのが効率的・経済的だったことがわかる。



[1996-J46-NKH2-N21]


aja-studio 2018