NKH みんなのうた 「あんぐりーブギ」1984


 NHKの「みんのうた」はテレビ版、ラジオ版ともに1961年にスタートした歴史の長い超長寿番組である。ここで放送される楽曲は大きく二つに分かれる。ひとつは「みんなのうた」のために新規で制作され、NHKが版権を所有する楽曲たち。もうひとつは既存のアーティストが自身のオリジナルとして制作したものである。後者は制作の費用をアーティストのレーベールや事務所、レコード会社が持っているため、版権はNHKにはなく、再放送が難しいという事情を持った曲たちである。


 さて、この「あんぐりーブギ」は作曲が「野田晴彦」。NHK「みんなのうた」に曲が採用されたことで作曲家活動を始めたとのことである。その後、沢田研二への楽曲提供や舞台・ミュージカルの音楽を担当している。そして放送当時のアレンジャーは「黒住憲五」。国生さゆり、新田恵利、石川秀美などへの楽曲提供をしている作編曲家である。そして自身もボーカリストであり、CDも数多くリリースしているアーティストである。久石譲とは、映画「この愛の物語」のサウンドトラックでタッグを組んでいる。映画の中のサウンドトラック兼挿入歌である「Take me to the party」のボーカルを務めている。詳しくはこちらのページから。歌唱は「みんのうた」ではおなじみ「東京少年少女合唱団」である。

 

 こちらの曲は、既存アーティストの曲ではないため、版権はNHKにありそうな気がするが、当時発売されたレコードはアレンジをし直したバージョンが収録されている。これはレコードの制作がコロンビアであったため、NHKが版権を持っているオリジナルをそのまま使えなかったのかもしれない。現在でもオリジナルが使えない場合は、アレンジをトレースする形で収録し直し、歌も改めて入れるパターンがあるが、コロンビアレコードの「あんぐりーブギ」もそのパターンだったのか、アレンジャーに久石譲を起用しての再録バージョン。ちなみに歌唱はオリジナルと同様、「東京少年少女合唱団」である。


 オリジナルの初放送は1982年だが、LPの発売は1984年である。久石譲の仕事としては1984年の案件とする。


あんぐりーブギ
作詞:實川翔
作曲:
野田晴彦
編曲:久石譲
(オリジナルアレンジ:黒住憲五
歌:
東京少年少女合唱団
(オリジナル歌唱:東京少年少女合唱団)



[1982-J32-SGK1-N07]


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